アイハンス vs インプレス、単焦点プラスレンズはどっちを選ぶべき?
- 1 日前
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白内障手術を検討している方から、最近とても増えているご相談が「単焦点プラスレンズって、結局どれがいいんですか?」というものです。特に名古屋アイクリニックで多くの患者さんに選ばれているのが、アイハンス(TECNIS Eyhance)とインプレス(Vivinex Impress)というふたつのレンズ。どちらも保険診療の範囲内で使える、いわゆる「強化型単焦点」「プレミアム単焦点」と呼ばれるカテゴリーのレンズです。
そもそも単焦点プラスとは何かというと、通常の単焦点レンズよりも少し焦点深度が広く、中間距離までがやや見やすくなったレンズのことです。多焦点レンズのような回折構造を持たないため、グレアやハローといった光の副作用が起きにくく、コントラストもクリアに保てるのが大きな魅力。ただし40cmあたりの近方視力はやや弱いという特徴も持っています。いわば「光の副作用が少ない代わりに、見える範囲は控えめ」という、渋みのあるレンズだと言えるでしょう。
アイハンスはジョンソン・エンド・ジョンソンが製造するTECNIS Eyhance、インプレスはHOYAが製造するVivinex Impress。どちらもレンズ中心部の形状を変化させることで焦点を広げる仕組みを採用していますが、その構造の詳細は各社の企業秘密となっており、外からは分からない部分も多いのが実情です。ひとつ共通して言えるのは、レンズ中心のごく限られた範囲を通る光で焦点を広げているため、瞳孔が大きい方だとその効果が薄れやすく、中間や近くが見えづらくなる傾向があるということ。だからこそ、手術前には瞳孔径の確認が欠かせません。
では実際の見え方はどうなのでしょうか。これまでのデータを見ると、中間距離の視力に関してはインプレスがやや優位という結果が出ています。パソコンの画面を見たり、車のナビを確認したり、バス停の時刻表を読んだりといった距離感で、インプレスに一歩分があるのです。アイハンスも単焦点プラスとしては十分な中間視力を発揮しますが、この点だけを見るとインプレスに軍配が上がります。
ただし、話はそこで終わりません。白内障手術の度数設定には、完全に遠くにピントを合わせる方法だけでなく、あえて少し近視を残して合わせる「近視残し」という考え方があります。度数計算には多少の誤差がつきものなので、あらかじめ近視側に少しずらしておくことで、万が一のずれが遠視側に大きく振れてしまうリスクを抑えられますし、近方視力を補う効果も期待できます。最近では、近くを見やすくする目的で積極的に近視残しを選ぶケースも増えてきました。
そしてこの「近視残し」の場面でこそ、アイハンスの本領が発揮されます。焦点深度曲線を見ると、アイハンスは遠視側の視力が比較的良好に保たれる特性を持っており、少し近視に合わせた状態でも遠方視力が落ちにくいのです。実際に-0.75D程度の軽い近視を残したデータでは、インプレスの遠方視力が0.7程度まで低下するのに対し、アイハンスは0.9前後を維持しながら、70cmや40cmの見え方はインプレスとほぼ同等という結果が出ています。つまり「遠くもそれなりに見たいけれど、近くも少し楽しみたい」という方には、アイハンスが強い味方になってくれるということです。
まとめると、中間距離の見え方を最重視するならインプレス、近視残しをしながら遠方視力もしっかり確保したいならアイハンス、という使い分けになります。どちらも保険内で選べる、グレア・ハローの少ないクリアな見え方が魅力のレンズです。最終的にどちらが向いているかは、目の状態や瞳孔径、そしてご自身の生活スタイルによって変わってきますので、専門医としっかり相談しながら選んでいくことをおすすめします。
今回ご紹介した視力データのグラフや、レンズ構造の違いを示した図解については、動画の中でより詳しく、そして分かりやすく解説しています。「結局自分にはどちらが合うんだろう?」と迷っている方は、ぜひ「目玉ちゃんネル」の本編動画もあわせてチェックしてみてください。数字だけでは伝わらない、実際の見え方のイメージがぐっとつかみやすくなるはずです。

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