DSC_2059.jpg

白内障術後治療

快適な生活をサポートするために白内障手術後の様々な悩みに対応します。

 

​白内障術後のドライアイ

白内障手術後のドライアイは、術後の相談の中で多い内容です。

最近はドライアイという言葉が一般化しているので、患者さんも術後のドライアイがよくなりませんと言われて受診されることが多いですが、以前は、術後の異物感がよくならないという訴えが多い印象でした。

白内障手術後のドライアイの原因は、手術時の侵襲(消毒液、光障害)と術後の点眼の影響に大きく分けられます。前者は手術直後に大きく影響するのが特徴です。

影響は術後1週から2週程度まで続くことがあります。

白内障術後の点眼は、防腐剤による影響と非ステロイド系の抗炎症点眼薬の影響が大きいです。

特に非ステロイド系の抗炎症点眼薬は術後の点眼として非常に大切なものですが、表面麻酔作用により涙液分泌を減少させてドライアイの原因になります。

白内障世代のドライアイを調査した研究では驚くべき事に、およそ70%の方がドライアイであることが分かっています。

しかし、ドライアイがあっても術前にあまり実感していない方も多いです。

そのような方が白内障手術を受けられて、前述した影響で眼表面や涙液の状態のバランスが崩れると、ドライアイが悪化し症状が強くなることが多いです。

 

治療に関してですが、これは詳しくはドライアイのページを読んで頂ければ分かりますが、基本は何が原因でドライアイになっているかです。

点眼薬による影響であれば、点眼を中止したり変更する必要があります。

また水分が足りないドライアイ、油が足りないドライアイではそれぞれに応じた治療が必要です。

慢性的なドライアイが続くと角膜神経にも影響がでて神経過敏性のドライアイに移行することもあります(治るのに時間がかかります)ので、症状があれば早めに治療することが重要です。

また元々ドライアイが強い場合は、術後にドライアイの治療も最初から同時に行うことが重要です。

白内障術後ドライアイ.jpg
 

白内障術後の光や視野の異常

白内障手術で使用する眼内レンズの進歩はめざましいものがありますが、それでももともと眼の中にある水晶体には及びません。

このため白内障術後にグレアやハローなどの光の異常感覚(ディスフォトプシアと呼びます)を感じることがあります。

 

この光の異常は眼内レンズの傾くことで強い症状が起こることがありますが、正常に眼内レンズが入っていても感じる事があります。

特にスターバーストという夜間に街頭や車のヘッドライトに光の筋が入ってみえるような症状は術後に感じられる方が多いです。

光が見える症状だけで無く、耳側に影が見える症状が生じることもあります。

これは、光が見える症状に対して陰なので、ネガティブディスフォトプシアと呼ばれます。

眼内レンズの直径が元の水晶体より小さく、眼内レンズのエッジで光が屈折を起こすことによって起こります。

瞳の大きさにも影響されやすく、感じる方と感じない方があります。

 

基本的には光が見える症状も影を感じる症状も、時間経過とともに軽減することが多いので、様子を見ることが多いですが、耳側の陰がどうしても気になると言われる方に対しては、低屈折率の眼内レンズへの交換手術を行うこともあります。

ディスフォトプシア.jpg
 

​白内障術後の屈折矯正法
(眼鏡やコンタクトレンズで近視、乱視、遠視、老眼を矯正する方法)

白内障手術後に、近視、遠視、乱視、老眼などに対しては、眼鏡で基本的に矯正します。

またコンタクトレンズの装用も可能です。

どこの距離に合わせた眼鏡を作るかは、患者さんの生活スタイルやご希望に合わせて相談の上処方することが多いです。

また1つの眼鏡で遠くと近くや、近くと中間が見たい場合には遠近や中近の老眼鏡を処方します。

最近は白内障手術後にパソコン作業をされる方も多く、中近の眼鏡を処方することも多くなってきました。

眼鏡無しで生活したい場合は、遠近のコンタクトレンズも処方する場合があります。

最近の遠近のコンタクトレンズは大変進歩していて、快適に毎日使用されている方も多いです。

​白内障術後の屈折矯正法
(手術によって近視、遠視、乱視、老眼を矯正する方法)

白内障術後に残存している近視、遠視、乱視、老眼を眼鏡やコンタクトレンズ以外の方法で何とかしたいという要望はかなり多く、私の行っている眼科相談室でも頻繁に質問のあるトピックスです。

どうしてそのような屈折矯正が必要になるかという原因は様々ですが、手術の際に予定とずれが生じた場合がまずあります。

また、片眼を先に手術して、しばらく年月がたってもう片眼を手術する際に、狙いの度数を変更したい場合もあります。

このような状況に対する対処方法ですが、手術後3ヶ月以内であれば、眼内レンズの交換で対処できることが多いです。

その時期を過ぎると交換は眼内の組織を傷める可能性があり、私はおすすめしていません。

手術3ヶ月以降であれば、いくつかの選択肢があります。

まずはレーザー治療です。

レーザー治療にはレーシックとPRKがありますが、白内障年齢の方には術後ドライアイも軽度なPRKをおすすめすることが多いです。

近視や遠視、乱視も矯正可能です。

レーザー治療以外の方法としては、アドオンレンズがあります。

日本ではあまり馴染みがありませんが、海外ではかなり以前から使われている手術方法です。

 

アドオン眼内レンズは、今眼内に入っているレンズはそのままにして、その上にもう一枚薄いレンズを入れる方法です。

ICLの手術に非常に似ています。

レンズの種類によって、近視、遠視、乱視が矯正可能です。

またアドオン眼内レンズの特徴として、多焦点レンズがあることが特徴です。

これまでに単焦点眼内レンズが入っている方に多焦点眼内レンズを入れることで、もともと多焦点眼内レンズを入れていた方と同じような状態にすることが可能です。

 

現在は下記の表にまとめましたように、イギリス、ドイツ、イタリアのメーカーから発売されています。

手術はとてもシンプルで大きな侵襲もありませんが、眼内手術ですので、感染予防のために白内障手術に準じた術後の点眼が必要になります。

最後に、よく聞かれるのがこれらの治療が保険適用かどうかという点です。

残念ながら、これらの治療は白内障治療では無く、その後の近視、遠視、乱視、老眼などの矯正ですので保険適用にはなりません。自費診療となります。ちょうど近視治療に行うレーシック、スマイル、ICLが保険適用にならないのと同じですね。

白内障術後の屈折矯正.jpg
アドオン眼内レンズ種類_edited.jpg