「軽い白内障」と言われたら、手術すべき?それとも待つべき?眼科専門医が判断基準を解説
- 13 分前
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「先生に白内障があると言われたんですが、私は手術した方がいいんでしょうか?」──診察室でスタッフがよく聞くご質問です。健診などで「白内障がありますね」と告げられても、その場では手術のことまで考えられない、という方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、白内障がある=手術が必要、ではありません。70代になると8割以上の方に白内障が見られると言われていますが、白内障の有無と手術の必要性は全く別の話です。
そもそも白内障とは、目の中の「水晶体」というレンズにあたる部分が濁ってしまう病気です。若いうちは透明ですが、加齢とともに少しずつ濁っていく、いわば老化現象のひとつです。
手術を考えた方がいいケース
もっとも重要な基準は、「症状があって、その症状で本人が困っているかどうか」です。視力検査の数値がどうであれ、ここが出発点。検査室では0.8の視力が出ていても、実際の生活では眩しくて困っている、というケースは珍しくありません。
そのほか、手術を検討する目安として次のようなものがあります。
眩しさや霞みで運転・仕事・趣味に支障が出ている(夜の運転が怖い、ゴルフでボールが見えにくいなど)
片方の目だけ白内障が進行し、左右の度数差が大きくなっている
多焦点眼内レンズを希望している(進行しすぎると適応外になることがあるため、早めの相談が大切)
「待てば待つほどいいレンズが出るはずだから、ぎりぎりまで待ちたい」という気持ちはよくわかりますが、多焦点を希望している方ほど注意が必要です。
急がなくていいケース
一方で、急いで手術しなくてよいケースもあります。
家族や友人が手術を受けて「よく見えるようになった」と聞いたが、自分自身は症状をほとんど感じていない
30〜40代でまだ本格的な老眼が始まっていない
眼内レンズの種類でまだ迷っている
特に注意したいのが30〜40代の方です。人工の眼内レンズには「ピントを自動で調節する力」がありません。老眼前の世代が遠くに合わせた単焦点レンズを入れると、手術後は近くが全く見えなくなり、老眼鏡が手放せなくなることがあります。多焦点レンズという選択肢もありますが、コントラスト感度の低下や夜間のハロー・グレアといったデメリットもあり、一概に万能な解決策とは言えません。若い世代ほど、より慎重な判断が求められます。
また、眼内レンズは一度入れると基本的に入れ替えができません。種類選びで迷っているなら、「とりあえず手術してから考えよう」ではなく、ライフスタイルや見え方の希望をじっくり整理してから決めるのがおすすめです。
まとめ
判断の軸は、①症状で困っているかどうか、②年齢と老眼の状況、③どんな眼内レンズを選ぶか納得できているか、という順番です。「軽い白内障」はあくまで検査結果の話であり、「軽い不便」かどうかは患者さん本人にしかわかりません。夜の運転が怖い、字幕が読みにくいなど、どんな小さなことでも診察室で具体的に伝えることが、正しい判断への一番の近道になります。
今回お話しした内容は、動画「目玉ちゃんネル」でさらに詳しく解説しています。「自分はどうなんだろう?」と迷っている方は、ぜひ本編もあわせてご覧ください。

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