​カスタム角膜クロスリンキング

​円錐角膜の進行予防と角膜形状改善を目指します

 
角膜クロスリンキングとは?

円錐角膜は角膜が弱く、眼球の内圧によって徐々に前方に突出変形してしまう病気です。このため、眼鏡で視力矯正が難しくなったり、ハードコンタクトレンズの使用が必要になったりします。角膜クロスリンキングは、2003年にドイツのドレスデン大学で開発された円錐角膜の進行予防治療です。非常に安全な確実な治療法で、既に15年以上の歴史があります。

現在ヨーロッパ、アメリカでは国の認可を受けた治療法として年間多くの患者さんが治療されています。また治療の与える長期的な影響も報告され始めており、角膜クロスリンキングを開始してから、重症化して角膜移植が必要になる患者さんが半減したと報告されています。

現在、日本では厚生労働省の認可が無いため、自由診療として行われています。

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角膜クロスリンキングの原理

角膜クロスリンキングの原理は、リボフラビン(ビタミンB2)を点眼し角膜に浸透させ、その後長波長の紫外線を照射します。この反応によって角膜のコラーゲン線維同士に架橋構造(コラーゲン線維の間の結合)が生じます。この変化によって角膜の強度が高くなり、円錐角膜の進行を予防出来るようになります。また角膜クロスリンキングには角膜を平坦化する効果もあります。

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カスタム角膜クロスリンキングと通常の角膜クロスリンキングとの違い

通常の角膜クロスリンキングは、角膜の中央部8mmの領域全体に紫外線を照射します。

円錐角膜は同じ角膜形状は全く無いと言っていいほど、個人差があります。また最近の研究で、円錐角膜の弱くなっている角膜は突出部位のみでその他の部位は正常の強度を保っている事が分かっています。

カスタムクロスリンキングは、外来で行った患者さんの角膜形状検査の結果を基に、弱くなっている部分により強いクロスリンキング効果を起こさせるように紫外線の照射を行うことで、進行予防とともに角膜形状を改善させる治療です。このため、通常の角膜クロスリンキングより、理にかなった治療と言えます。

カスタムCXLと通常の比較.jpg
 
モザイクシステムについて

カスタム角膜クロスリンキングは専用の器械(モザイクシステム)を用いて行います。術前検査で行った角膜形状のデータを取り込んで、手術プランを作成し、手術プランに沿った紫外線照射を行います。円錐角膜の突出部位の面積は小さく、正確にその部位に照射するために精度の高いアイトラッキング機能(眼の微小な動きに対して追従し照射できる機能)を備えています。

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カスタム角膜クロスリンキングのメリット

カスタム角膜クロスリンキングは、弱くなっている角膜の部分に強く照射を行うために、角膜の形状改善効果が高いと言われています。

このため、初期の患者さんでは裸眼視力、矯正視力の改善効果が期待されます。ある程度進行している患者さんでは、視力改善の実感は小さいですが、角膜の突出が減弱するので、ハードコンタクトレンズの装用感を改善する効果が期待できます。

 
カスタム角膜クロスリンキングのデメリット

カスタム角膜クロスリンキングは、角膜の形状に合わせて行う非常に精密な治療法であるため、現在紫外線の照射時間が16分程度かかります(通常は8分)。

カスタム角膜クロスリンキングの器械には、紫外線の照射中は眼の動きに追随するアイトラッキング機能を使用して行いますが、紫外線の照射中にどうしても動きが多い方は、カスタム角膜クロスリンキングが出来ず、通常の治療に切り替える可能性もあります。