円錐角膜がある程度進行した方ですと、どうしても視力矯正にハードコンタクトレンズが必要になってきます。ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズと異なり、レンズが動くことによって涙液交換が行われるため、激しい運動ではどうしてもレンズがずれやすく使いづらいです。さらに円錐角膜になると、角膜が不正形であるために角膜とコンタクトレンズの接触面積が狭くなるので、さらにずれやすい点は否めません。
円錐角膜は10から20歳代の若い方に発症するので、発症時に部活などでスポーツをされている患者さんが多いです。これまでにしていたスポーツをあきらめないといけない、ハードコンタクトレンズを外して見えづらい状態でスポーツをしなくてはいけないことが多く、「円錐角膜なのでしょうがないですね」というのが医師の間でも一般的な考えと思います。
しかし、自分はあきらめずに円錐角膜でもアクティブなスポーツが出来るようにサポートしたいと考えています。私がこのように考えるようになったのはアメリカ留学中の体験が大きいと思います。日本では病気だから、しょうがないねと終わってしまうところが、アメリカでは医師も患者さんも積極的に問題を克服して普通の方と同じように過ごせるようにしようという風土があります。
軽度の方であれば、少し矯正は甘くなりますが運動中のみソフトコンタクトレンズで対応可能です。ハードコンタクトレンズが必要な方は、ハイブリッドレンズまたはミニスクレラルレンズを処方することでほとんどのスポーツは可能です。もちろん眼に打撲が起こる可能性があるスポーツでは、スポーツ用のゴーグルやメガネをその上からかけた方がいいです。
これまでに小学生の野球少年、バスケを頑張っている中学生、テニス部の高校生、実業団でバレーボールをしている円錐角膜の患者さんなどに、スポーツ中でも使えるように特殊コンタクトレンズを合わせています。
もしこのようなことでお困りのことがありましたら、私の外来までご相談ください。