最近、多焦点眼内レンズに関するアップデートが少しあったので、Hpの内容を変更しました。まず、これまでに3焦点眼内レンズは、未認可で医師が直輸入した眼内レンズしか無く、先進医療対応ではありませんでした。本年6月にアルコン社のパンオプティクス(PanOptix)が認可を受けて、先進医療対応となりました。このレンズは既に欧米で多数使用されている3焦点眼内レンズで、遠方、中間、近方の良好な視力が報告されています。私も複数の施設で使用し始めましたが、レンズも挿入しやすく、患者さんの満足度も高く、また医師として未認可のレンズを使用するよりもメーカーの保証もしっかりあるので安心して使えるという面もあります。これから急増していく多焦点眼内レンズと思います。
次に、日本の眼科に大きな衝撃を与えた眼内レンズであるレンティスコンフォートです。衝撃というのは、海外では分節型多焦点眼内レンズに属するものですが、日本では単焦点眼内レンズの枠で認可されたということです。このため保険診療内で使用可能です。ただしこのレンズは加入度数が弱く(そのために単焦点として認可可能であった)、近方はあまり見えません。遠方と中間距離(70cm)に焦点が合う2焦点眼内レンズです。保険診療内で手術可能なので、患者さんのメリットは大きいです。ただ、私のHpの白内障のページを読んで頂ければ分かりますが、全ての人にとって多焦点レンズがベストかというとそうではありません。多焦点眼内レンズはコントラスト感度の低下や、夜間視の問題が切り離せません。このため、自分に合うかどうか、自分のライフスタイルを考え医師とよく相談して使う眼内レンズを決めることが大事です。