本年も残すところ僅かですが、本年は円錐角膜の患者さんでハードコンタクトレンズが合わないと言われて受診される患者さんを診療することが非常に多かった印象があります。
円錐角膜でハードコンタクトレンズが使えないと日常生活や仕事でも困ることが多いので、自分の中でも早急に対応しないといけない状態と思っています。
ハードコンタクトレンズが使えないと言われて来られる方の原因は大きく分けて3つあります。まず第一に、ハードコンタクトレンズのカーブなどいわゆるフィッティングが合っていない事です。円錐角膜の場合、ハードコンタクトレンズのカーブの選択は正常の方の方法と全く異なるため、時々カーブがきつすぎるレンズを装用されている方を見受けます。このような方ではハードコンタクトレンズのカーブを変更することでまた装用出来るようになることが多いです。
次にアレルギーやドライアイの影響でハードコンタクトレンズ装用が難しい場合です。この場合はアレルギーやドライアイを治療が必要になる事が多いです。円錐角膜のドライアイは、40代以降に特に多く見受けられる状態で、涙点プラグ治療を積極的に行うとかなりの方が楽に装用出来るようになります。どうしても難しい場合は、ミニスクレラルレンズやハイブリッドレンズを処方することもあります。
3つめの原因としては神経過敏です。どうしても円錐角膜は角膜の尖った場所がいつも擦れるために、慢性的な傷が出来ることで眼の表面が過敏になることがあります。今まで問題無く使用してこれたのに、最近すぐに痛くなってしまう場合やコンタクトレンズをしていなくても眩しく感じたり、風で涙が出てしまうような場合です。この場合は神経過敏を改善するような点眼を処方したり、神経を刺激しないミニスクレラルレンズを処方することがあります。神経は改善がゆっくりですので、治療にも時間がかかるタイプです。