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EDOF(イードフ)かトリフォーカル(3重焦点)眼内レンズか?


 最近、患者さんも大変勉強されていてEDOF(イードフと呼びます)眼内レンズかトリフォーカル眼内レンズか悩まれて受診される方が結構いらっしゃいます。

 歴史的にみると、最初に2重焦点眼内レンズの次にトリフォーカル(3重焦点)眼内レンズがヨーロッパで広く使われるようになりました。この眼内レンズは2重焦点のレンズと違って中間距離(60~70cm程度)での視力の落ち込みが無く、遠方〜中間〜近方までの良好な視力を得ることが出来ます。一時期は欧州の学会に行くとトリフォーカル眼内レンズの講演ばかりが目立つ時期もあり、それが数年前からEDOF眼内レンズがブームになってきています。EDOFは手元の視力はトリフォーカル眼内レンズより劣りますが、遠くから中間にかけては視力良好で、夜間の見え方も優れているという特徴があります。これには次のような背景があります。トリフォーカル眼内レンズではどうしてもコントラスト感度(薄暗いところの視力)が単焦点眼内レンズに比べて落ちることと、グレアやハローなど夜間光が眩しく感じたり、光に輪がかかって見える症状を強く感じる事があり、それを改善したいということで開発されたのがEDOF眼内レンズとなります。

 さて、患者さんからはどちらがいいんですか?とよく聞かれますが、どちらがいいかは患者さんのライフスタイルや術前の状態次第と思います。EDOF眼内レンズは上述したようなメリットがある反面、近くは眼鏡が必要になる事が多いです。夜間の運転などが多ければEDOFが向きますし、近くの作業が多く、その距離を出来るだけ眼鏡をかけたくないようであればトリフォーカルもしくは2焦点レンズが向いていると思います。

 現在、受診された患者さんには必ず説明しているのですが、ネットで調べると良いことばかりが書いてありますが、100%良いことばかりの眼内レンズは日本にも海外にも存在せず、何が患者さんにあっているのかを見つけることが重要です。眼内レンズ選択で迷われている方は、このあたりを主治医の先生とよく相談されるのがいいと思います。

イードフ眼内レンズかトリフォーカル


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大阪北区・天六・天満のフジモト眼科さんで、円錐角膜、ICL、白内障の診療・手術を開始しました。フジモト眼科さんは患者さん第一の医療を行いたいという、我々と共通の理念があります。院長の藤本可芳子先生とは、専門も近く以前から友好関係があり、今年は名古屋アイクリニックのアニュアルレポートの巻頭言も書いて頂きました。 これまで大阪から名古屋まで診療に来られる患者さんも結構いらっしゃいましたが、今後は大阪で

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